本紹介:『成功ではなく、幸福について語ろう』幸福であることに気づけるかどうか?
先日こちらの本を読み終えたので、今日はこの本について感想を書きたいと思います⇩
アドラー心理学で有名な、岸見一郎さんの本です。
易しい言葉で書いてはあるんですが、個人的には混乱する部分もあって、正しく読めているのかは不安が残ります。
個人的に「へー」と思ったポイント
- 人々が求める「幸福」は一体何なのか、我々はよくわかっておらず、はっきりとは定義されていない。ただ、それに至る方向性についてはわかっている
- 幸福とは量的なものではなく、質的なものである
- よく、幸福は成功と混同される。成功は量的なものであり、失敗などもありうる。混同された結果、自分は成功していないから不幸だというような考え方につながる
- 人生を生きるに値するものにするためには、他の誰にもできない仕事をすること
- だからといって、働けない人間に価値がないわけでは無い。ただ生きているだけでもいい。その時の自分にできることをする
- 他人が自分の期待通りに動いてくれるかどうかというのは、他人の課題であり、自分の課題ではない。だからこそ、他人が期待通り動いてくれないから自分は幸せになれないという考えをするべきではない
- 過去のことに囚われたり、これから先どうなるかが不安になってしまったりすることもあるだろうが、我々が生きるべきなのは「現在」であって、過去でも未来でもない
- 幸福であることを外に出し、機嫌良く在ることは、周囲にも良い影響を及ぼす
- 失敗したくないという思いから、他者との付き合いを嫌がる人がいるが、絶望から救ってくれるのは他者との関わりである
感想
幸福とは、「なる」ものではなく「である」ことに気づくことである。だから、幸福になる方法というのは存在しないのだ、という話であると思うのですが、そもそも幸福であることに気づいていない人は、幸せを得るためには幸せ「である」ことに気づく必要があるわけで、それこそが「幸福になる方法」なのではないのかな? と素直に疑問に思ってしまいました。
また、他の人に出来ない、自分だけにしかできない仕事をすることについて言及されていましたが、それは一体何なのだろう? と思いました。私は、自分と同じ人間は二人といないと思っていますし、そういう意味では「私にしかできないこと」はあると思います。ですが、今の自分の職業という意味であれば、私より優秀な人間は山ほどおりますし、替えはいくらでも効くでしょう。自分だけにしかできない仕事をしているという気持ちがあれば、それはまあ確かに「やりがい」「充実感」があるだろうなとは思いますが、それがそもそも無い場合はどうしたものかな? と思います。
他人の課題と自分の課題を分けよ、というのはなるほどなと思います。ついつい、「あれをしてほしい」「こんなにやったのにリターンがないのは嘘だ」と思いたくなる場面がありますが、それはそもそも自分の課題ではないですね。そう思えるようになると、気持ちはずいぶん軽くなるように思いました。